いま話題の教育書!「AIvs.教科書が読めない子どもたち」

今回は、巷の教育ニュースを解説する、教えて!教育ニュースのコーナーです。
いま書店の平積みコーナーを見ると、よく目にする「AIvs.教科書が読めない子どもたち」という本はもう読まれましたか?
この本、内容が衝撃的すぎて、話題になっているんです。
これからのAI時代、子どもたちにはどんな未来が待ち受けているのでしょうか?

今日は、竹林さんに本の内容を解説していただきながら、これからの子どもたちに必要な教育とは何か、考える機会にしてみたいと思います。

 

AI(人工知能)が人間の仕事を奪うってホント?

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編集部

竹林さんは、この本を読んでみて、どう思いましたか?

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竹林さん

非常に衝撃的な内容でしたね。
AIが身近なものに浸透し始めて、これからインターネット以来の大きな産業構造の変化を迎えると話題になっていますよね。
蒸気機関が生まれて、イギリスで産業革命が起こったように、AIが人の仕事を奪うのでは…?と心配されています。
私も、いまこの変化に対応できない教育をしている学校・塾はあっという間に時代に取り残されるだろうな…と危機感を感じながら読みました。

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編集部

実際にこの本を読んだことの無い方もいらっしゃると思うので、簡単に内容を教えていただけますか?

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竹林さん

はい。まず、私達がAI(人工知能)とよく口にしますが、それはあくまでも数式によって成り立っているということです。
私達が何気なくしている動作も、発している言葉も、持っている視界や見たものを認識する力も、ごくごく当たり前のものですが、数式に表しきれない。
そう、数学には限界があるということです。
数学に限界があるということは、すべてをプログラムして、AIが人間を超越してしまうようなことは起きないということです。

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編集部

ええと…AIは数式でできている、そして数学には限界があるということですが…
それってそんなに大事なことですか?
ちょっと子育てや教育とは関係がないような…

dummy
竹林さん

いいえ、関係してきます。
どういうことかというと、AIが何もかもできちゃう時代はこない!ということなんです。
ということは、ウラを返せば、これからのAI時代を生きる子どもたちは、AIの出来ないこと、苦手なことをできれば、生き抜いていけるじゃん!と。

AIの得意なこと・苦手なこと

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編集部

なるほど!
ちなみに、AIは何が得意で、何が苦手なんでしょうか?

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竹林さん

AIは圧倒的な計算能力、記憶力が売りです。
複雑な計算をあっという間に終わらせたり、問題の答えを統計的に割り出し、探し当てたり…。
計算能力や記憶力はもはや人間が敵うレベルではありません。
では、反対に何が苦手か…。
それは、人間ならではの柔軟な動きや常識的に判断すること、文章を読み解くこと(読解力)が苦手だといいます。

dummy
編集部

よくロボットが柔軟に動いている映像などを見ますが、実際にものをつかんで持ち上げるという動作ですら、周りに他のものがあったり、形が事前の情報と少し違うだけでも、うまくできないと聞いたことがあります!
でも、読解力や常識っていうのが、いまひとつ理解できません。

dummy
竹林さん

入念にデモ(準備)をしたロボットでやっとその動作が達成できる、まだそんなレベルで、柔軟な動きを伴うものは人のほうが得意だそうですね。
その常識とか、読解というのは、例えばこんな文です。
「私は兄と山口と広島に行った。」

dummy
編集部

私は、私の兄と山口県と広島県に行ったということですよね!

dummy
竹林さん

人間だと、おそらくそのように読む方が多いでしょう。
ところが、AIは兄と山口さんと3人で広島県に行ったと読んでしまうかもしれない。
この常識的な判断、そんなのちょっと考えればわかるでしょ?
というのがAIにはできないそうです。

読解力のない人はAI時代を生き残れない!?

dummy
編集部

ということは、そのAIが苦手な“柔軟な動き”、“読解力”、“常識”がキーになってくるということですね。

dummy
竹林さん

そうです。しかし、その人間が力を注ぐべき“読解力”は、人間も苦手だということがわかったんです。
例えば、中学校を卒業する段階で、約3割の生徒が簡単な読解もできないということがデータで示されています。
約3割の子どもが”教科書を読む力さえないのでは?”と、大きな話題になりました。
さらには学力中位の高校でも、半数以上が文章の内容を理解できず、進学率が100%の進学校でも、内容理解を要する読解問題の正答率は50%程度でした。
これでは、AIと同じ土俵で、戦うことになり、AIにあっという間に仕事を取られてしまいます。

dummy
編集部

そんなに読む力がないのですか!?
それでは、やはりAIに仕事を取られるというのは、現実的にありそう?ということですか?

dummy
竹林さん

読解力不足については、私達のような教育業界の人間もデータを見て震撼しました。
この本には読解力を試す例題も載っているので、機会があれば試してみてください。
大人でも、一瞬迷うような問題ですが、こんな簡単な読解もできなければ教科書が読めないのは当たり前。
それなのに、教科書の内容をテストしたり、授業するというのは、確かに難しいだろいうなと考えさせられました。
ある研究機関の調べでは、今後10〜20年のうちに、半数の仕事がAIに取られると予測されています。
決してSFではなく、仕事を取られて失業者があふれかえる…そんなリアルな試算が数多くあります。
私達も、子どもたちも、来るAI時代に早く備えなければなりません。

dummy
編集部

読解力を高めるために、具体的にどうすればよいのでしょうか?

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竹林さん

残念ながら、どうすれば読解力が上がるかという解決策は、データとしてありません。
巷で“読解力を高める”というのは、その根拠がないということもはっきり示されています。
なぜなら、読解力はどうやって高めることができるのか、わからないということがわかったからです。
読書も、学習習慣も、残念ながら読解力には影響しないといいます。
しかし、一方で”どうすれば子どもたちが内容を理解できるのか、研究と実践を絶えず繰り返した学校”では読解力の向上が見受けられたというデータもありました。
簡単な解決策はありませんが、子どもたちのために授業を磨く、わかりやすく説明する、どうすれば読解力を上げられるのか、試行錯誤を繰り返す…
私達にできることは、そんなごく当たり前のことだけだということです。

dummy
編集部

これからの時代を生きる、私達やその子どもたちの世代は、大変ですね…。
でも結局のところ、どうしたらよいのでしょうか?

dummy
竹林さん

国も、時代の急速な変化は察知していて、2020年の教育改革の軸としています。
人間の仕事は“人間にしかできない柔軟な動きの仕事”と“読解力・常識を活かす高度な仕事”に二分されると言われています。
そうすれば、前者は低賃金労働になり、後者は高収入を得られるでしょう。
だからいち早く後者に入らなければなりません。
国はそのためにプログラミング教育の充実や、語学力の充実を打ち出しています。
語学は読解を伴うため、AIの苦手分野です。
これからのAI時代、プログラミング的な思考を活かした判断力や論理的な思考は欠かせません。
実際に、これまでもご紹介しているように、NEXTでは2020年の教育改革を先取りし、2019年度から、英会話コースとプログラミングコースの開設に向けて準備をしています。
費用のかかることですが、もしできることであれば、英語やプログラミングなど、これからの時代で必要とされるであろう教育にも触れさせてあげたいものです。
私達も、AI時代を生き抜く子どもたちを育てられるよう、絶えず教育の内容を磨き、たくさんの方にご利用いただきやすいサービスの開発を進めたいと思います!

dummy
編集部

少し難しい話ですが、これから大変なことが起きるということ、
そして、子どもたちに求められる能力についても、少しわかった気がします!
知って終わりではなく、子どもたちのために何ができるのか、私達大人も考えたいですね!
今日はありがとうございました!

dummy
竹林さん

こちらこそ、ありがとうございました!

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